安部先生のメッセージ
共同開発したアロマキャンディ成分DOMACにウイルス感染予防効果が期待 No.43
アロマキャンディ成分DOMACが、ウイルス呼吸器感染を予防しうる可能性を見出しました。
私たちは、抗真菌作用が強くカンジダ性口内炎に有効なアロマ成分複合体DOMACを、2012年からUHA味覚糖社と共同で開発してきました。すでに、DOMACを含んだキャンディなどは開発済みでウェルシア薬局などで販売されています。このDOMAC入りキャンディは、男女51名の協力を得て実施したヒト試験で、風邪症状(のど不快感、のどの荒れ、声枯れ)に改善を示すことが報告されています。(松川泰治 他 臨床と薬理 46、1563-1569 2018) その研究で、28日間という短い観察期間ですが、対照のプラセボキャンディ群で8%の被検者にインフルエンザ症状が見られたのに対して、DOMAC入りキャンディを1日3粒舐めた群では一人も、インフルエンザ症状を示した人がいなかったことから、DOMACがインフルエンザ感染を予防する可能性を考えました。実際、DOMAC中のオリゴノール、シナモン、シトラールには抗ウイルス活性があることを示唆する論文があります。
これらに続いて、最近の私と羽山和美博士との研究で明らかになったのが、DOMACが複数のセリンプロテアーゼを抑制するということです。図参照 セリンプロテアーゼはインフルエンザウイルスや新型コロナウイルスが、喉や口の粘膜にある細胞に付着する過程に必要な酵素で、この酵素が働かないとウイルスが細胞に付着できず感染が成立できなくなる重要な酵素です。したがって、DOMAC入りキャンディを舐めると、ウイルスが粘膜に付着・感染できず、呼吸器感染予防する可能性が出てきました。
今後、実際にこれを舐めた時、ウイルス感染予防効果が得られるか調べないといけませんが、期待を持って研究を続けていきたいと考えています。研究成果の一部は、11月17日の講演記録(本HPのお知らせページ)に記載する予定です。ちなみに私は、何人かと話をした後など「ウイルスが喉に入ったかなー」と心配になった時には、このキャンディを舐めています。
2020年11月 安部茂
北陸の文化に触れて、パワーをもらいました No.42
若狭の小浜の近辺に旅行に行き、改めてわが国の文化の深さを味わって元気をもらってきました。
理科系の発想をする私が、若狭に行く前に持った興味は、「若狭には三方五湖という半島に突き出た5つの静かな湖があり、その一つ水月湖湖底の堆積物は、世界の気候変動などの物差しとして使われるということを知り、是非見に行きたい」というものでした。水月湖には、大きな川が流れ込まないため、毎年ほぼ一定の堆積物が湖底に沈むため、ボーリングすると年ごとに環境条件を知ることが出来るそうです。しかし、湖岸に立っても、湖面が道端に異常に近く、あふれるようでありながら静かな湖だという印象しか持てず、肩透かしを食らいました。
ついでにと申しては失礼でしたが、小浜周辺の古い神社と寺を見学しました。すると驚きの連続で、そこには関東では考えられない古い文化が息づいているのを知りました。若狭姫神社・若狭宮神社は訪れる人は少ないが、伊勢神宮の先祖というにふさわしい神々しさがあり、身を清められる思いがしました。
また、明通寺は、室生寺と同時代に坂上田村麻呂が建立される真言宗の古刹で福井県随一の国宝に指定されています。特に本堂、三重塔が荘厳であり、その古さに朽ちるのではないかという心配をさせられながらも厳然と存在し続ける強さを感じました。(写真は三重塔前)
京都・奈良などに、行くのも良いですが、北陸新幹線がつくられ、騒がしくなる前に一度は北陸若狭にゆっくりと行くことをお勧めします。高速道路網はすでに整備されています。
この若狭の旅でパワーをもらい、気力を整え再びこのホームページを豊かにしていきたいと思います。
よろしくお願いいたします。
2020年10月 安部茂